国境って何だろう。
大地は何事もなくのっぺりと続いているのに突然
「ここから違う国ですよ」
って言う。
そんなもの鳥たちには関係なくて
雀はちゅんちゅんとにぎやかにイミグレを飛び越えていくし
蝶々も知らん顔でひらひらと鉄条網をくぐり抜けていく。
人間だけが神妙な顔でパスポートを提出する。
かといって何も変わらない。
空気の味も同じだし
地図みたいに違う色に染まるわけじゃない。
大地は同じようにそのままのっぺりと続いて、
・・・続いていなかった。
バスでシリアからトルコに抜けたとたん
田畑がものすごく豊かになった。
なんだこの変わりようは!
地形の変わり目とか
作物が違うとか
そんなことだろうと思うのだけど
私の目には
「トルコに入ったから!」
というように見えた。
国境ぎりぎりまで耕された肥沃な畑。
風力発電の風車がまわる丘。
ぴかぴかの大型バスが走る。
「トルコに入った感」は町に着くとさらに強くなった。
看板からアラビア語が消えてアルファベットに近いトルコ語表記になった。
(地名が読めるってすばらしい。)
イスラムの掟に従って黒づくめのヴェールで全身を覆い顔まで隠していた女性たちが
ここでは陽気な笑顔をみせている。
半袖の女性さえいる!
そして大統領の顔写真が飾られていない。
社会主義国シリアではいたるところに国旗と大統領の写真を掲げていて
この顔にうんざりしていたのだが
トルコではそういうこともない。
シリアものんびりできたけど
トルコには違う意味でのびのびした空気が漂っている。
ほんのちょっと、バスで走っただけなのに。
同じ鳥がさえずり
同じ蝶々がとんでいるところなのに
がらりと違う景色になった。
国境って、不思議だ。
で。
国境を越えて、もっとずーっと遠くまで
一気に突っ走ろうと思ってたんだけどね。
・・・・・腰痛になっちゃった。
長時間バスに座っていることすら辛いので
国境ちかくの、名前を聞いたこともないような町で降り
ちょっと静養することにします。
なんていったっけこの町?
ガジ・・・
ガジ・・・
ガジなんとか?
そうそう、ガズィアンテップ、だ。
上の写真はピスタチオたっぷりのバクラワ。
今日の晩ご飯です。
— トルコ —
トルコ国境越え
2010年4月19日
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おぉー!とうとうトルコ到着ですか!
一度行ってみたい国のひとつです。
気候はどうですか?
今がベストシーズンと聞いています。
そして、シリアのその顔にうんざり
する気持ちわかります。その顔は
うっとうしい。笑
バクラワ食べたいです。
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>もんこさん
社会主義の国ってやっぱり不思議に感じるところがたくさんありますね。
顔写真攻撃もそのひとつでした。
トルコは春真っ盛りで今日は暑いくらいでしたが
遠くの山にはまだ雪をかぶっていました。
山登りは無理かなー。
あ、バクラワはいまいちです(笑)