雑誌の取材を受けた時のこと

10月に母を連れて東京へ行ったのは、主に取材を受けるためだった。女性雑誌『クロワッサン』のインタビューを受けるため。我が家から東京はだいぶ遠いが、こんな機会そうそうないし、せっかくだからと無理して行った。

取材が決まったとき「どうしよう」と思った。真剣に悩んだ。
「私、服もってないよ!」
お洒落な服がないとかそんなレベルではない。
リアルに、仕事用のジャージとタイパンツしか持っていないのである。基本的にお出かけしないから。
「タイパンツで東京行ってもいい?」
と友人に相談したら優しく却下された。それで母をつれて服を買いに行ったら、母の服だけ3枚も買わされて帰ってきた。お金がなくなってしまって大変に困った。

当日、インタビューはマガジンハウスさんのビルで受けた。ピンとこない年代の方にはかつての「平凡社」さんといえばいいだろうか。『an.an』とか『Popeye』『Hanako』とか私でも知ってるような超有名雑誌を出版しておられるところで、ビルは銀座にあった。

銀座で道に迷ってるときの空

私は田舎の人間で山ばっかり見て育ったし、現在ではバリアフリー住宅で紙オムツばっかり見ている。一流企業のビルなんて、見るのも聞くのも生まれて初めてだから
「ほえー」
と変な声だして見上げるばかりである。なんだかすべてがぴかぴか光って見えて、とりあえずタイパンツ履いてこなくてよかったと思った。

だが呑気に変な声をだしている暇はなかった。なぜなら、ここへ向かうタクシーの中で母が
「お腹痛い」
と言いだしたからだ。
さあこれからインタビューを!って時にである。母も緊張したのだろうか。

出迎えてくれたライターさん(初対面)にお会いするなり
「トイレ貸してください!」
と頼むことになってしまい、ぴっかぴかの一流企業のトイレで奮闘した話は前に書いた(10/6「火事場の馬鹿力」)。相当に恥ずかしかったが受付のお姉さんも優しかった。

そして取材。写真撮影のあと、母と2人でテーブルにつきインタビューを受ける。プロというものは聞き出す力がものすごくて、とてもしゃべりやすかった。でも正直、あがってしまって何を話したかは記憶にない。このへんは記事を読んでもらえれば嬉しい。

ライターの寺田さんは一言でいうと美魔女であった。それに初対面でいきなり「トイレ貸してください」なんて言われても「大丈夫ですよ!」と励ましてくださる優しい方だった。それから、こんな本を書いておられる方だった。


Soliste{ソリスト} おとな女子ヨーロッパひとり旅

何十回もヨーロッパ一人旅をされるくらい旅好きで、だからこそ私たちのウィーン旅行に目を留めてくださったのかもしれない。(とはいえ私が旅したのとは別の地球なんじゃないかっていうくらいお洒落な旅本です。勉強になりました)

田舎の山でおばあちゃんと紙オムツに囲まれている今の生活ではなかなか会えないような人に会えたことは、とても刺激的だった。世界は広いと思った。

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