猫が電話に出た!

火曜は母の「お留守番デー」。私が仕事で出ているあいだ、母は一人で本を読んだりパソコンに向かったりして過ごす。

近頃はだいぶ落ち着いてきたけど、それでもやっぱり心配なので、仕事が終わるたびに母に電話をかける。電話・・・と呼んでるけど電話じゃない。携帯でもスマホでもない。Amazon Echo(アレクサ)だ。

スマートスピーカーである。音声操作でテレビをつけたり音楽を聞いたりできるので、リモコン操作が苦手な母は重宝している。

アレクサには通話機能がついており、
「だだに電話して!」
と言うだけで私のスマホをコールすることができるし、逆にスマホからアレクサをコールすることもできる。母はボタンが苦手だから、声だけで操作できる「電話」はとても便利なのだ。

今日も母がコールしてきた。が、私は仕事中なので出られなかった。何か問題があったのだろうか? 心配になって、仕事が終わったあと急いで折返した。
・・・おかーさん、どうかした?
だが母は答えない。
音声は通じているのに。
答えがないとますます不安になる。
車椅子ごとコケてたらどうしよう。
・・・おかーさん、大丈夫?
「うんにゃー!」
・・・え?
「ニャニャー。ニャンニャー」
母が猫語をしゃべっている。
わけがない。
シシィが何事か喋っているのである。
「だいじょうぶよートイレ行きたいけど」
のんびりとした母の声が後ろのほうから聞こえてきた。それをかき消すように
「ウミャー、ニャンニャ、ニャンニャー」
シシィさんがずっと喋っていた。うるさい。

さすがに家電には出ない

そのあと10分くらいで家に帰ると、ドアを開けるなり
「ニャンニャー!」
シシィが走ってきた。
「遅いよ!」
とでも言うように。
この子、今日はやけにうるさいな。何を言ってるんだろう?

と、見ると。
母が。
車椅子を必死で動かして、トイレに向かおうと試みている最中であった。めっちゃ体が傾いてる!
「あああああ危ないから一緒に行こうね!」
慌てて姿勢を整えトイレにつれていった。

シシィは、アレクサから聞こえてきた私の声に向かって
「おかーさんが危ないから早く帰ってきてー!」
と訴えていたのかもしれない。間にあってよかった。

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