母が運転免許を自主返納しました

母が運転免許をとったのは三十才を過ぎてからだった。大人になってから免許をとるのは簡単なことではなくて、最初に買った車は一週間で塀にぶつけて廃車にした。それでも怖がることなくどこへでも乗っていった。大阪のど真ん中でも、嵐の山の中でも、臆せず突き進んでいった。

母が免許をとったのは私たちのためだった。
「子供を3人もつれて自転車で行くのは大変だから」
障害のある妹をつれて遠い病院のリハビリへ。
バレエに熱中する次女をつれてレッスン場へ。
そして一人で過ごすことが好きな私をつれて丹波の山小屋へ。
母は小さな赤い軽自動車でどこまでもどこまでも連れていってくれたものだ。

その母が今日、運転免許を返納した。4年前に脳出血をおこしてからは運転なんかできなかったんだけど、それでも免許証を持っていることが誇りだった。一年くらい前まではまだ自分で運転できると思いこみ、返納なんてとんでもないと言っていたが、今は違う。ちゃんと自分の障害を理解できるようになったのだ。

免許更新のハガキが届いていると知ると
「そろそろ返納しなくちゃね」
と自分で言い出した。
「自主返納したら、代わりの証明書がもらえるんでしょ! あれ欲しい!」
新しいもの好きの血が騒いだらしい。

更新と違い、免許の返納は地元の警察署でできる。
問題は『運転経歴証明書』につかう証明写真だ。
まっすぐ顔を上げることが困難な母は、きっちりした規定のある証明写真を撮るのが一苦労。だが驚いたことに、なんとスマホのアプリで証明写真が撮影できるのだ! それをコンビニでプリントアウトすればたった200円で済んでしまった。便利な時代になったものだ…。

写真と免許証とハンコを持って警察署へ出向く。交通課だ。対応してくれた警察官が最初ものすごく威圧的なしゃべり方だったのに、母の姿を見たとたん優しい言葉づかいになって手続きを進めてくれた。まあ、いいんだけど…。

最後に
「手続きが完了したので免許は取り消されました。この先、運転されたら無免許運転となりますのでご注意ください」
と言われた。無免許もなにも母は運転なんかできる身体じゃない。それでもちょっと寂しかった。

おかあさん、今まで運転ありがとう。お疲れ様でした。

 

本日の猫写真。
日向ぼっこをするミー先輩。


「ええか、明日から雨やからな! 今のうちにせいぜい光合成しとくねんで!」

半野良のミー先輩、今夜はちゃんとどこかのお家で眠ってるといいなあ。

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猫とビターチョコレート

コメント

  1. だださんこんばんはー!
    確かにちょっと寂しいですね~。
    うちの父の場合は退院してすぐに期限が来てしまったので、まだ本人を連れて警察署へ行く私の行動力もなく、父の理解力もなさそうだったので、そのまま失効になりました。うちの父はまだたまにですが運転する気満々な時があります。今日も両親を歯医者さんへ連れて行ったのですが、途中で「軽の箱バンでワシが自分で来たらおまえに世話かけんでよかったのにな~!」と言うておりました。はい、その気持ちだけいただいておきまする。。

    • こんばはー!
      うちの母もわりと最近までは
      「おかーさんが運転してあげるね」
      としょっちゅう言ってました。
      運転できないんだよと言われても
      「右足でブレーキ踏めるから大丈夫!」
      足が動かないということは理解できても、左が見えてないという認識はないんですよね…。

  2. だださん、こんにちは~。

    いつも、いつもお母さまの前向き・プラス思考、何よりユーモアセンスなど感心・感激しています、、、。
    なぜか、今日のブログ拝見しながら、涙があふれてしまいました(‘;’)
    だださんは、いろいろと課題を抱えながらも、このようなお母さまの元に生まれ、お幸せなんだなあ。
    人は、良き思い出にも支えられ、ハードルを乗り越えて行く面ありますでしょ?
    ムクロジは、母として、子どもに良き思い出をプレゼントできているか、どうか。

    ブログ更新、ありがとうございます。

    • ありがとうございます。
      母に伝えますと
      「私ユーモアなんかないよ?いつも真面目」
      と本人が申しております。
      ただの天然です。
      子は親の背中を見て育つといいますし、人間は経験(=思い出)によって作られる生き物ですね。
      子供の頃は気づきませんでしたが、母が私達のためにどんなに頑張ってきたかは今になってよくわかりますし、感謝しています。
      ムクロジさんのお子さんもきっと同じお気持ちだと思いますよ。