昔話、はじめます

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コロナで何もできなくて、どこにも行けなくて、ウダウダしている。
なんだか閉じ込められた気分だ・・・世界中みんながそうであるように。

嘆いていたって仕方がない。
何かやりたいと思った。
何か、新しいことを。
何か、気分転換になること。
何か、自分自身のためになることを。
できれば誰かのためになることを。

とはいえ私は介護職。
世間の人たちよりもっと気をつけなくちゃいけない。
外に出られない、今の状態でできることはないだろうか?
この介護漬け生活を生かせることはないだろうか?

それで思いついたのが『利用者さんの思い出話を集めること』だ。

訪問介護やデイサービスの利用者さんたちに昔のお話を聞き、それを文章化していく。
これなら新たに人と会うわけじゃないし、このままの状態でやっていける。
企画として通ったので、仕事の一貫としてやらせてもらえることになった。

子供の頃の暮らしや、女学生時代の思い出。
好きだったもののこと。
後世に伝えておきたい教訓。
「昔のことならなんでもいいんです、思いついたことを話してください」
そうお願いすると、戦後のダンスブームのお話や、戦前に宝塚を受験されたお話などが集まってきた。
どれもこれも今は失われてしまった貴重な体験ばかりだ。

とはいえ、一定の年齢以上の方は、どうしても戦争の話に行き着いてしまう。
空襲や敗戦後の飢えに苦しんだ話など、重たい話も多い。
だが、これは貴重な証言だと思った。
この方たちは、戦争体験を語ることができる最後の世代だ。
ちゃんと聞き取って残しておかなくてはならない。
大事な教訓がたくさん詰まっているのだから。

楽しいお話も。
悲しいお話も。
日常のよくある風景も。
かげがえのないお話を一つひとつお聞きして、残していこう。
利用者さんたちお一人お一人が生きて歩いてきた軌跡を大切にしよう。
これは、介護士であると同時に作家を名乗らせてもらっている私の、やるべき仕事ではないかと思う。
・・・上司が鬼編集者と化しているため、なかなか苦戦しておりますが!

「さわやか今昔ものがたり」
https://sawayakasanda.wordpress.com/

ブログ形式で8月1日から毎週土曜に更新します。現在は、以前にここで書いた利用者さんのお話を一つだけ載せています。

本日の猫写真は、デイサービスで働くミー先輩です。

この企画であらためて知ったのですが、高齢者はみなさん昔話が大好きです。
普段はおしゃべりが苦手なのに思い出話だけはびっくりするほどたくさん話してくださったり、器用な方はレジュメを用意して待っててくださったりしました。
それだけ伝えたいことをたくさんお持ちなのだなあと思います。
どこまで続けられるかわかりませんが、できるだけたくさんのお話をお聞きしたいと思います。

コメント

  1. だださんの新しい企画、楽しみにしています。だださんにだからこそ、きっと気軽に話してくださるですね。でも、お話しを聞いて、それを文章にして、更に上司の方にみていただいて、結構大変なお仕事ですね。

    • ありがとうございます。
      そうなんですよ、思いのほかチェックが厳しくて大変なんですよ(笑)
      でもいい勉強になると思うので頑張ります!

  2. 92歳の戦争を経験したおじいちゃんにあんたら世代の人に戦争の話しをしても知らーんと興味もなく言われたら悲しくなると聞いた事があります。

    冷蔵庫や食品の賞味期限チェックされ1年以上前の調味料や乾物の処分を言われると
    「封を開けて無いから大丈夫やろ」と捨てさせてくれないのも飢えに苦しんだ経験からですものね。
    しょっちゅうお腹壊してますが…
    企画のきっかけになったという
    「聞き上手になりなさい」
    とっても心打たれました。家族やお年寄りの話を聞き流していたなぁと深く反省しました。
    だださんからたくさんの人に貴重なお話が伝わりますように。
    楽しみにしてますね!
    ありがとうございます

    • ありがとうございます。
      >「封を開けて無いから大丈夫やろ」と捨てさせてくれないのも飢えに苦しんだ経験からですものね。
      もったいないんですよね。
      なるべくお気持ちは大事にしたいものです。
      お腹こわすのはアカンと思いますが。
      新聞やチラシや古い雑誌が捨てられないという方もおられました。
      「昔は紙がなくて苦労したから、何かに使えるんじゃないかと思って」
      と。
      どうしても溜まるので片付けるようにケアプランが組まれているのですが、そう簡単に
      「捨てる」
      という言葉は使ってはいけないのですよね。
      昔のお話は逆に
      「こんな普通の話」
      「どこにでもある人生」
      と本人はおっしゃるのですが、その時代を知らない私から見るとまるで宝石箱のようです。

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