舞台が観たい

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本日2記事目。

深夜、一人の時間ができたときに動画をよくみる。このあいだまでホラーを見てたけど、近ごろは宝塚歌劇をみる。昔の宝塚だ。私が若くてハマっていた頃の、毎週のように劇場に通っていた頃の舞台映像。楽しかったなあ。大好きだったなあ。そんなふうに懐かしんでいる。

開演前、赤い客席に女性客の香水とざわめきがたちのぼる。オーケストラボックスでは音合わせが始まっている。ブザーが鳴る。ゆっくりと緞帳が上がってゆく。期待と緊張で空気がひりひりする。

暗闇を切り裂く一筋のスポットライト。舞台は生きている。同じ芝居でも毎回ぜんぶ違う。演者も奏者も観客も、血が流れ呼吸しつづける生きた人間だからだ。

同じ芝居の同じセリフでも、あるときは上滑りし、あるときは熱意があふれ、あるときはセリフを間違える。あるときは笑いがあがり、あるときは拍手があがる。

役者が転ぶこともある。
音がはずれることもある。
ときには客席で赤ちゃんが泣くことも。

熱い瞳の輝き、飛び散る汗のきらめき。
靴音と衣擦れの音、腹にひびく打楽器。
照明の熱さとスモークの匂い。
この世のすべてを支配する歌声と、観客のため息。

2時間40分の間、劇場は他のいっさいから切り離されて宇宙に浮かぶただひとつの世界になる。涙も愛も幻想も、その束の間は世界でただひとつの真実だ。怒涛のような拍手が劇場を揺さぶり、緞帳が降りてくるまでの間だけは。

どんなにお金をかけても2000円の立ち見席にはかなわない。どんなに映像技術が進歩しても、4Kでも8Kでもどんなに精密な映像でも、舞台と客席が同じ空気を吸うことはない。

あの舞台は二度と見られない。もう二度と、永遠に。だからこそ、舞台は熱くて美しく、そしてせつない。

生の舞台をまた観たい。
すべての舞台と劇場が、早く、そして安全に、再開しますように!

コメント

  1. 宝塚歌劇の再開が発表されました。(7月17日ですって。)
    県外に住んでいるので、しばらく観劇なんてできないけれど、公演の予定が決まったというだけでもとっても嬉しいです。いろいろ制限を設けての様子ですけれど。
    どうかこのままコロナが収まって、今日発表された通りの公演ができますように。

    • 歌劇の再開、めでたいですねーーー!
      嬉しいですねーーーー!
      近所に住んでてもチケット手に入りませんが(笑)
      幸せな舞台をファンの人たちに見せてほしいですね。

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