オバケなんか、ないさ

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大したことないけどちょっと怖かったので苦手な方はUターンで。

訪問介護の利用者さんで
「嫌いなものはオバケ」
という方がいる。
「怪談とか幽霊とかダメやねん。私、一人暮らしやろ?夜になると怖ぁて…」
そんな、オバケなんか実在しませんよ!
私は笑いとばす。
「でもな、隣の部屋に仏壇あるやろ。見ないようにはしてるけど、夜になるとそっちに誰かがいるような気がするねん。物音がするし」
それはもしかして、イタチとかテンとか棲みついたんじゃないですか。
業者を呼んだほうがいいやつですよ。
「せやろか?それにな、あっちに置いたはずの物がこっちに動いてることがあるねん」
勘違いでしょう。
よくあることですよ。
「だって私一人しかおらん家やのに、よく・・・ほら見て!」

私と利用者さんの目の前で。
ドアがすうっと開いた。
ちょうど人が入れるくらいの幅だけ開いた。
そのドアの向こうは仏間である。

もちろん私は笑いとばす。
利用者さんの不安を除くのもヘルパーの仕事だから。
大丈夫、ただの風ですよ。
そっち側の窓が開いているから。
「せやろか?」
そうですよ。
もちろん。
幽霊なんていません!

言い切った次の瞬間、開いたドアがすーっと閉まった。
さっき入ってきた人が閉めたみたいに。

だ、だ、だから、風ですって!
私は力説する。
向こうの窓も開いてますから、両方から風が入ってきてバタバタしてるだけですよ。
今日は風が強いから。
「せやんな、風やんな!」
すがりつくように利用者さんはうなずいた。

私は言い出せなかった。
風はドアノブレバーを押しませんよね、とは。

うむー。
あれはなんだったのだー。

お口なおしに我が家の朝の風景をどうぞ・・・。

コメント

  1. 退去目前の問題利用者に夜勤中ハンマーで襲われる方がよほど恐ろしいです
    (どこからハンマー入手する?営繕用具から勝手に持ち出し?そこまで施錠しないとダメなんですかね)
    「命まで取られるわけじゃなし」は通用しない今の時代
    怪異?は怖いけど、戸口が開いたりモノが移動するくらいなら可愛いものかも
    目に見えない同居人=妖精さん(ご先祖さま?)がいる くらいに思ったらどうでしょう

    • 恐ろしい事件でしたよね。
      介護疲れの奥さんの放火も悲惨で・・・。
      幽霊のほうがよっぽど平和に見えますよね。
      一人暮らしの利用者さんは家の中だけが全世界ですから、小さなことも大げさに感じてしまうようです。

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