第7回オヤジの料理 肉じゃが

「俺、肉じゃがをつくりたい」
オヤジが言い出した。

週に一度の晩ご飯づくりを任せるようになって3カ月目。何度か鍋を真っ黒コゲにしたけれど、今ではカレーやシチューはじょうずに作れるようになったし、『ちょっとどんぶり』を使えば親子丼もバッチリだ。次は一歩進んで肉じゃがに挑戦したいというのだ。
「料理の本、借りてきてん!」
同僚から初心者向けのレシピ本も借りてきた。やる気満々じゃないか。

問題はレシピ本を読んでも用語がさっぱり理解できないということ。
「大さじ1」は、このスプーン1杯。
「1カップ」は、これで量る。
調味料はここの棚に入ってる。
だし汁は・・・粉末でいいか。

一通り説明すると
「わかった! まかしとけ!」
と威勢のいい返事がかえってきた。
「おまえには負けへんぞ!」
威勢がよすぎて不安になる。
・・・おとうさん、味付けするの初めてでしょ。ちゃんと味見してね。
「味見なんかしても、俺、味なんてわからん!」
・・・頼むから味見はしてください。お母さんにも手伝ってもらって。あと、お願いだから鍋は焦がさないで! このあいだ焦がしたフライパンもう諦めて捨てたから! 私は何度も何度もしつこいくらい言い含めてから仕事にでかけた。

帰宅すると、ちょうど肉じゃがを煮ているところだった。鍋も焦げていないし、匂いもいい感じだ。それでも母がこっそりと
「もし美味しくなくっても、絶対に『マズい』って言ったらあかんよ」
と耳打ちしてきた。

いよいよ晩ご飯の時間。オヤジが器によそってくれた。

予想外! めっちゃキレイな肉じゃが出てきた!

「おいしー!」
一口食べるなり、母が絶賛した。
「すーーごくおいしいよ!」
「ええ、そうかあ?」
自信なさそうにオヤジが、続いて私が、食べてみた。『美味しくなくてもマズいって言ったらあかんよ』という母の教えを守ろうと心に誓いつつ。しかし次の瞬間、
「甘っ!」
思わず口走ってしまった。生まれて初めて味噌カツを食べた時と同じ衝撃が走ったのだ。お菓子みたいに甘い!
「ちょっと甘いけど、すごーーくおいしいよ」
母が必死の笑顔でフォローしたけれども
「失敗した・・・」
しょんぼりと打ちしおれるオヤジが可哀想で見ていられなかった。それで私もこういった。
「甘いけどおいしいよ!」
わ、わ、我が家は甘党なので!

話を聞いてみると、オヤジは調味料をすべて目分量で入れたらしい。
「だってあんな小さなスプーンで量るとか無理やろ!」
小さなことにはこだわらない性格なのである。
母も味見をしたらしい。
「ものすごーく辛かったから、味醂を入れてね、って言ったの」
お醤油を豪快にどばどばーっと入れて、濃くなりすぎたから、こんどは味醂とお砂糖をどばどばーっと入れたんだって。
・・・ダシは?
「あ、入れてへん」
だよね。入ってないよね。

でも、おそろしく甘いのとダシ入れ忘れた以外は大丈夫だったので! なんとか完食できるレベルだったので! 上出来だと思います! 次回は上手に作ってくれるだろうと期待大。頑張れオヤジ!

本日の猫写真。
トンネルで遊ぶ猫たち。

猫じゃらし(ヒモ)を気だるそうに引っ張るシシィさん。
ヒモの先には…。

必死になってジャレているサンジ君がおりました
シシィがあんまりその気にならないものだから、
「ねえ、もっと引っ張ってよ~」
と言いたげに顔をのぞかせます。

シシィは昼間のほうが活発ですが、サンジは夜型です。今日はちょっとリズムが合わなかったね。

コメント

  1. ムクロジ(無患子) より:

    だださんへ
    「豚も、おだてりゃあ、、、」ですよぅ。
    特に男性陣には、効きます(少ない体験ですが)。
    いつも、いつもサンジ君、かわいくて(~_~)
    どうやら、ムクロジは、ボケ役男子に弱いようです。

    • だだ より:

      ええ、ええ、おだてて登って頂きましょう、木でも山でも!
      私はボケ男子を見るとついイジメたくなっちゃうんですけどねー。我慢…。
      あ、サンジはいじめたりしないですよ!

  2. ロコ より:

    だださん、○○正直はあきまへん(笑)
    お母さまが、せっかく念入りに釘を刺していらしたのにぃ。
    それに、とぉっても傷つきやすいシェフ氏は、私の
    アイドルなんですからねっ。
    カレーにシチューに「ちょっとどんぶり」親子丼に鍋焦がさず、
    スタート時点を思えばスゴイです。
    少なくとも画像の肉じゃがは彩りがよく、美味しそうですよ。

    トンネルの向こうに顔を覗かせたサンちゃん、か、可愛い。
    しょうがないわね、めんどいけど遊んでやるかって気だるげな
    シシイちゃんは、まるでお姉ちゃん風を吹かしている
    みたいに見えます。

    7日付けのおばぁちゃんのお話を読んで、思わず襟を正したい
    気持になりました。
    これからたどる老後の道筋の灯火となってくれそうです。
    書いてくださって、ありがとう。

    • だだ より:

      ははは、大丈夫ですよー、今は木に登ってますから!
      しかしアイドルって(笑)。
      もともと手先は器用な人なので私よりも包丁はうまいです。
      肉じゃがの色艶がいいのはミリンをどばどば入れたから。
      残ってたミリン全部入れちゃったみたいで、今日の夕飯に使おうとしたら空っぽでした…。

      シシィ、ちょっとだけお姉さんになりましたよ!
      というか太ってきたので前ほど身軽に動けないみたいです。
      逆にサンジが元気を取り戻してきたので、いい感じですね。

      介護をしていると、いろんな方から人生のお話しを聞かせて頂けるので勉強になることが多いです。
      私も頑張らないとなあと思います。