介護用の紙パンツVS布パンツ

乾燥肌の季節になった。高齢者はとくに乾燥しやすいので、母もしょっちゅう
「かゆい、かゆい」
とかきむしっている。
一番かゆいのはウエストで、
「紙パンツのあたるとこ」
だそうだ。
紙パンツはカサカサするし、中は蒸れるし、地獄らしい。
「あんた生理用品でかぶれたことある? ナプキンの10倍大きいのを一日中つけてると考えてごらん!」
うん、たしかに地獄である。

去年、ウィーンに行くときに知ったのだが、ヨーロッパでは紙パンツ(通称リハパン)はほとんど使わないそうだ。肌によくないし、ゴミは増えるし、回復の邪魔になるし、良いことが何もないから、という理由らしい。実際、薬局で探してみたら、尿パッドや紙オムツは普通に売られているが紙パンツはだいぶ探さないと見つからなかった。

紙パンツの長所
・買いやすく、使いやすい。介護が楽
・失禁をカバーしてくれる
・あったかい
・安心感がある

紙パンツの短所
・肌に悪い
・暑くて蒸れる
・なんか悲しい

ヨーロッパで主に使われているのは布パンツだった。尿漏れ用の薄いものではなく、しっかりした専用の布パンツに尿パッドを合わせて使う。日本でもパッド用の布パンツは売られているが、だいぶ高価だし、紙パンツに比べればマイナーだ。

というのも。
介護者にとって面倒だからだ。

布パンツはやっぱり漏れる。いや、きっちり使えば大丈夫(のはず)なんだけど、紙パンツみたいに吸収してくれないから、いざというとき頼れない。自分ではトイレに行けない人や尿量が多い人の場合、布パンツだとちょっと心配なのだ。うちの母もパッドがずれたり、あふれたりして、大失敗をしたことが何度もある。人手不足が深刻な施設で布パンツを使うにはちょっと勇気がいるだろう。

「でもね、布パンツは気持ちがいいのよ!」
と母は言う。その証拠に、カサカサの肌荒れも、真っ赤なかぶれも、布パンツに替えたとたん治ったのだ。布パンツは高価だけど、長く使えるから結局は安上がりだと思う。

布パンツの長所
・肌にいい
・長く使える
・ゴミが減る
・自立を促進

布パンツの短所
・尿パッドが必要
・洗濯しなくちゃいけない
・失敗すると大惨事
・初期費用がかかる

我が家では、日中は布パンツ、尿量が増える夕方以降は紙パンツと使い分けている。デイでも午前中は布パンツを使わせてもらっている。でも、布パンツは不慣れな職員さんも多くて…。パッド対応の布パンツがもっと広まって、買いやすく使いやすくなればいいなあと思う。